技術のカタチ

introduction

九谷焼の定義ってなんですか?

九谷焼の作り手である私たちにとって、その質問に答えることは実は難しいことです。
なぜなら、一つの定義や枠組みに納まらない幅の広さこそが、『今の九谷』の最大の特徴だからです。

その中でも「こまつ」は多くの作家が集まる土地として知られています。
ここでは多種多様な伝統技法を生み出してきた産地の歴史と、それらを『今の九谷』に繋げる「こまつ」の作り手たちを紹介します。

1. 起源、そして再興の時代

 九谷焼の起源、1655年頃に作られた古九谷にあります。
 その背景には、ライバル関係にあった徳川に破れ、幕府に仕えることになった前田家の「文化で天下一を目指そう」という志がありました。
 古九谷は五十年ほどで生産を止めてしまいますが、一世紀後には再興九谷として新たに複数の窯が作られ、それぞれの個性を打ち出していきます。
 それらのオーソドックスな技法を受け継ぐ作り手は「こまつ」にも多く活動しており、古典から現代的なモチーフまで描かれるものの幅はさらに広まっています。
 古き良き技法に込められた、力強い原色の表現を感じとって頂けるなら幸いです。

五彩
青手
赤絵
金襴手
染付

2. 飛躍の時代

 明治になると、素地づくりと絵付けが分業制になったことで、九谷焼の生産性は飛躍敵に上昇し、より手の込んだ作品が多く作られました。欧米に渡った輸出品はジャパンクタニと呼ばれ人気を博し、九谷は陶磁器輸出で日本一の産地になります。
 それらの装飾性の高い技法を受け継ぐ作り手たちの作品は、現在も高く評価されています。その完成度はかつてのジャパンクタニにも引けを取るものではありません。
 今の作り手たちによる凝縮された美の世界を、どうか目を凝らして御覧下さい。

青粒
花詰
盛金(金盛)
凸盛
薄絵

3. 多様化の時代

 時代が昭和に移り、元から美術品として評価が高かった九谷焼はよりアート性を高めていきます。
 美術界出身の作り手が新たな表現を開拓する一方で、伝統技法を代々受け継ぐ窯元や作家からも、多くの新たな技法が生み出されました。
 それぞれの作り手が、それぞれに影響を与え合いながら、より洗練された作品を作っていく。それが「今の九谷」にある多様な作り手の文化です。
   百花繚乱に咲き乱れる九谷の花々の中から、あなたの琴線に触れる作り手を見つけて頂くこと。
 それが私たち「こまつ」の作り手の願いです。

彩釉
釉裏金彩
釉裏銀彩
色絵細描
毛筆細字
掻き落とし
彩磁彩
金彩
赤絵細描
白磁